DISNEY DOLLARS · GUIDE
ディズニーダラーの銘品珍品
印刷ミスと特別な1枚の物語
精巧に作られたはずの紙幣に、なぜか残ってしまった「ちょっとした違和感」。そして、最初から特別な存在として作られた1枚。
全5回シリーズの第3回はディズニーダラーの銘品・珍品を紹介。
1987年に誕生し、長年にわたってさまざまなデザインが発行されたディズニーダラー。精巧な印刷や、細部まで作り込まれたデザインも、その魅力のひとつです。
ところが、そんなディズニーダラーのなかには、意図せず生まれた「珍品」と、最初から特別な存在として作られた「銘品」の両方が存在します。
今回は、スペルミスがそのまま印刷・販売されてしまった紙幣と、発行後に内容が事実と合わなくなってしまった2つの「珍品」、そして、特別なディズニーレジェンドのサイン入りという銘品を紹介します。
「101 Dalmations」? スペルミスのまま発行されたクルエラ
最初に紹介するのは、2013年に発行された「ヴィランズシリーズ」です。
このシリーズではディズニーを代表するヴィランたちが紙幣の主役となり、フック船長、マレフィセント、アースラとともに、『101匹わんちゃん』のクルエラ・ド・ヴィルが登場しました。
ところが、このクルエラの紙幣、『101匹わんちゃん』の原題を誤ってスペルミスしたまま印刷されているのです。
比較的すぐ目につく大きさで配置されていて、何度も確認する機会はあったはずですが、なぜか気付かれないまま正式に発行されてしまいました。
誤植が発覚した後、クルエラの紙幣は販売中止に。そのため同じヴィランズシリーズとして発行された他の紙幣と比べても、希少性の高い1枚となっています。
「SUMMER 2005」と書かれた2005年秋公開のチキン・リトル
もう1枚は、2005年に発行された『チキン・リトル(Chicken Little)』の1ドル紙幣です。
表面には主人公のチキン・リトル。裏面には映画の舞台となるOakey Oaksの学校や映画ロゴなどとともに、公開予定時期を示す「SUMMER 2005」の文字が記されています。
ところが、『チキン・リトル』が実際にアメリカで公開されたのは、2005年の夏ではなく11月4日でした。
「SUMMER 2005」は発行当時には正しかった
「SUMMER 2005」公開予定として、チキン・リトルの紙幣が発行される
11月4日予定だったピクサー『カーズ』の公開が2006年6月へ延期と発表。空いた11月4日の枠へ『チキン・リトル』が移行
『チキン・リトル』全米公開。紙幣の「SUMMER 2005」表記だけが、変更前の予定を伝えたまま残る
紙幣が発行されたのは、公開延期が発表される前。そのため、公開時期の変更をあとから紙幣に反映することはできませんでした。
2005年 50周年記念「チャールズ・ボイヤー $50ディズニーダラー」サイン入りフレームセット
ここまでの2枚は、印刷ミスや公開延期といった「意図せず生まれた」珍品でした。3つ目に紹介するのは、逆に、生まれながらにして特別な存在として作られた銘品です。
2005年、Disneyland開園50周年「The Happiest Celebration on Earth!」を記念して、ディズニーダラー史上唯一の50ドル紙幣が発行されたことは、前回の記事でも触れました。
そのなかでも、とりわけ特別な扱いを受けているのが、アーティストでディズニーレジェンドのチャールズ・ボイヤー(Charles Boyer)がデザインを手がけ、本人のサインが入った限定フレームセットです。
このセットには、
- 50ドル紙幣本体(1〜100番までのシリアルナンバー)
- ボイヤーのアートワークをもとにデザインされたミッキーマウスのピンバッジ
が、装飾的なフレームにまとめて収められています。通常のディズニーダラーのように単体で流通したものではなく、Disneylandパーク内で限定100セットのみ販売された、記念性の強い一品です。
紙幣の向こうに、その時々のディズニーが見える
スペルミスという人間味のあるエピソードや、人気作品の公開延期が思わぬ形で影響するなど、珍品の裏には意外なストーリーが隠れています。そして銘品には、チャールズ・ボイヤーのサイン入りセットのように、最初から特別な1枚として作られた重みがあります。
珍品も銘品も、それぞれの形でディズニーダラーをコレクションする楽しさを教えてくれます。
