ディズニーダラーの鑑定機関

DISNEY DOLLARS · GUIDE

ディズニーダラーの鑑定機関

真贋を判定し紙幣の価値を裏付ける鑑定という仕組み。
全5回シリーズの第4回はその成り立ちを辿ります。

今回は、そんな紙幣の価値を裏付ける存在——鑑定機関についてのお話です。

「鑑定」と聞くと、コレクションの世界でもやや専門的で、少しハードルが高く感じるかもしれません。ですが、ディズニーダラーを集めていくうえでは、知っておくと安心できる知識でもあります。

鑑定文化のルーツは「コイン」にあった

ディズニーダラーの鑑定品というと、現在はPMGという鑑定機関が事実上のスタンダードですが、市場にはPMG以外にも複数の鑑定ホルダーが存在します。その背景を知るには、少し時代を遡る必要があります。

鑑定(グレーディング)という文化のルーツは、実はアメリカのコイン(古銭)の鑑定にあります。1986年、アメリカの著名ディーラーたちによって設立されたPCGS(Professional Coin Grading Service)が、次のような仕組みを世界で初めて導入し、コレクション市場を一気に近代化させました。

  • 第三者による鑑定
  • 封入ホルダー
  • グレード基準の統一
  • 鑑定番号によるデータベース管理

この成功をもとに、1991年には「カード版PCGS」としてPSA(Professional Sports Authenticator)が誕生します。ポケモンカードでよく見かける「PSA10」という評価方式も、元をたどればPCGSのコイン鑑定メソッドの派生というわけです。

PCGS設立の翌年に生まれた、もうひとつの鑑定機関

PCGSが設立された翌年の1987年、その設立に携わったメンバーの一部によって、新たなコイン鑑定機関NGC(Numismatic Guaranty Company)が誕生します。

このNGCのグループ企業として、紙幣鑑定に特化する形で生まれたのがPMG(Paper Money Guaranty)です。2005年に設立され、2010年頃からディズニーダラーの鑑定も開始。現在、最も広く利用されている鑑定がこのPMGです。

PCGSの紙幣鑑定は「別会社」から始まっていた

一方のPCGSにも、2005年頃から紙幣鑑定を扱う部門がありました。ただし、ここには少しややこしい事情があります。

当初のPCGS紙幣鑑定は、PCGS本体が直接運営していたわけではありませんでした。外部の会社が「PCGS CURRENCY」という名称でPCGSのブランドを借りて紙幣鑑定を行い、2010年頃からディズニーダラーの鑑定も開始していたのです。

この関係は、2019年にPCGS本体と外部運営会社との契約終了によって終わりを迎えます。その結果、PCGS本体は自社運営の「PCGS Banknote」を新設。旧運営会社は「Legacy Currency Grading」に名称を変更して継続する形で、2つの鑑定機関に枝分かれしました。

同じ「PCGS」の名を冠していても、旧PCGS CURRENCYと現在のPCGS Banknoteはまったくの別会社という点が、このあたりの一番ややこしいポイントです。

市場に存在する、3種類の鑑定ホルダー

ここまでの流れをまとめると、ディズニーダラーの鑑定品には、現在おもに次の3種類が存在することになります。

PMG 鑑定ラベル PMG 2010年頃〜
現在の主流
PCGS CURRENCY 鑑定ラベル PCGS
CURRENCY
2005年頃〜2019年
PCGS Banknote 鑑定ラベル PCGS
Banknote
2019年〜

名前が似ているため混同されがちですが、PCGS CURRENCYとPCGS Banknoteはまったくの別会社。PCGS CURRENCYの鑑定番号は、現在のPCGS公式サイトの鑑定確認システムでも照会できません。

ちなみに、2019年の契約終了後にPCGS CURRENCYから名称変更したLegacy Currency Gradingのラベルも存在しますが、市場で見かけることはほとんどありません。

Legacy Currency Grading 鑑定ラベル Legacy
Currency Grading
2019年〜
ほとんど流通なし

PMGとPCGS以外の鑑定品は、避けたほうが安心

ネットオークションなどでは、PMGやPCGS以外の鑑定機関のケースを見かけることもありますが、結論から言うと、PMGとPCGS以外の鑑定品は避けたほうが安全です。

PMGやPCGSが国際的な標準として信頼されている大きな理由は、鑑定の公正性を守るための厳格な内部規定にあります。鑑定士自身が個人的に売買を行うことなど市場で鑑定対象に利害を持つことなどが、厳しく禁じられているのです。

MEMO

小規模で無名な鑑定会社のなかには、自社の在庫を自分で鑑定して高いグレードを付ける、いわゆる「セルフグレーディング」が行われているケースがあります。

こうした鑑定機関による鑑定品は、市場では信頼に足るものとして扱われず、実質的に未鑑定品と同じ扱いを受けてしまいます。

鑑定は、紙幣の「状態」だけでなく「価値」も裏付ける

鑑定というと、まず思い浮かぶのは「真贋や状態を保証する仕組み」かもしれません。ですが、それだけではなく、鑑定を受けているという事実そのものが、取引価格にも影響してきます。

信頼できる鑑定機関のホルダーに入っているかどうかは、その1枚をどう楽しみ、どう手放すかを考えるうえでも、意外と大切な視点になってきます。

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